病菌は国境を越えて容赦がない

「調べてみると、大きな戦争につきまとう被害として、戦死傷者、戦災者はもとより、肢体不自由者・児、寡婦、孤児、社会的未婚者など後遺症はかぞえ切れない。そして、性病を含む急性・慢性の伝染病の蔓延がある。加藤が負けようが、病菌は国境をこえて容赦がないのである。」

『燠なお消えず』(花田ミキ)27p

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写真は、戦争の代償として、戦争が終わって何十年たっても地面の下に残り続けるカンボジアの地雷です。

この写真は小学校の敷地で取りました。クメールルージュ政権下、学校は完全閉鎖。建物は軍事基地、刑務所、処刑場として使われました。トップシークレットの場所に人を立入らせないために、学校の校庭だったところに埋められたのが地雷です。

カンボジア政府の地雷の関連機関Cambodian Mine Action and Victim Assistance Authority (CMAA)によると2020年に除去後破壊処理をされた地雷の数は対人地雷10,051個、対戦車地雷135個、不発弾(ERW)33,312個となりました。

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響で地雷処理の作業にも遅れが出ているようです。

カンボジアにいたときに、大雨の後は水たまりに近づかないように村人に言われました。小型の地雷は軽いため、大雨が降り水がたまると地面から浮き、流れて漂着するため。雨がやんで水たまりが乾いた後、安全確認をしてから移動するようにということでした。

またカンボジアでは地雷を埋めた場所を地図に記さなかったため、どれくらいの数がまだ埋まっているのか正確な数字が取れないという話も聞きました。

地雷の被害は減っているものの、除去されない限りゼロにはなりません。

「悪魔の兵器」といわれている地雷が一日でも早くなくなることを願ってやみません。