「われらカナリヤ」鎮魂のうた

核のゴミいくさの修羅と重なりてわが思惟(シイ)深く消えることなし
核のゴミ積み重なれるふるさとにおののくわれらカナリヤめきぬ
繁栄の残渣(ザンサ)を埋めし疎の地にはおさな子もいる老人もいる
原子爆弾と同じ核の、ゴミの貯蔵所が、六ヶ所村にある。
人間が、核エネルギーを制御できると科学者は過信していまいか。
「ヒューマニティなくして科学は死にうちかてない。」
スイス・レマン湖のほとり、ジュネーブにあるWHO(世界保健機構)の一室に、バチカン王国から贈られた壁紙が飾られていた。
それに添えられたこの言葉を思い出しながら、二十一世紀を生きる人たちの、英知に期待するしかないとしきりに思っている。
「鎮魂のうた」91-92p

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