私は2歳の頃、一人の保健師に命を助けられた

昭和35年6月7日の青森県東奥日報にある記事が載った。見出しは「愛のリレーに命拾い」。

記事は続く。「汽車の中で急病のため人事不省となった坊やが、たまたまこの汽車に乗り合わせていた保健師に命を助けられた。

5月25日の午後5時50分。奥羽線の列車の中で一人の母親が赤子を抱き、「お医者さんがいませんか」と狂ったように叫んでいた。

抱かれたその子はハシカで高熱を出し、すでに呼吸は止まっていた。その子は乗り合わせていた保健師の手当てと適切な処理で、浪岡駅自衛隊ジープ~浪岡病院~青森とリレーされ危ない命を助けられた」。

その保健師は花田ミキと名乗った。死にかけたその子が私だった。

映画「じょっぱりー看護の人花田ミキ」は、自分の身を顧みず「保健と看護という職業」に命をささげた津軽女性のたくましさと、やさしさ、そして命の尊さをドラマチックに綴る感動作である。

私はコロナ禍で命を顧みず必死に戦っている医療従事者の皆さんにエールを送ろうと思い、命の恩人花田ミキさんの映画を企画・制作することを決意する。

---

今日は五十嵐匠監督の誕生日です。花田さんがいなかったら迎えることのできなかった日でもあります。

f:id:hanada_miki:20210916150548j:plain