ふるさとの清水思へり船酔いに 胸苦しさをこらえいとしき

カイコ棚のようなベットの天井に地図をはって、「いまごろ故郷では田植えかなあ」と、弘前の風物をしのんだ。

もと「清水村」と呼ばれたふるさとには町内にたくさんの「清水(シヅコ)」が湧いていた。航海中の船では水を使うのを制限していたので、洗濯もままならなかった。風呂は海水。気をはりつめていた航海中には、ことにもふるさとの冷たい清水がたまらなくなつかしかった。

引用)
花田ミキ著『燠なお消えず』41p

1942年、従軍看護婦として病院船で兵士の看護にあたっていた花田ミキさんが詠んだ句です。花田さんのふるさと「清水村」は明治22年~昭和30年の中津軽郡自治体名で冨田・小沢・坂本・常盤坂・悪戸・下湯口の6か村と旧弘前城下の紙漉町が合併してできた村です。地名の由来は富田・紙漉町に湧水・清水が多くみられたことにちなんでいます。

写真は弘前市紙漉町にある富田の清水(しつこ) です。いまでもこんこんと水が湧いています。1985年に(昭和60)年には国指定の名水百選に選ばれました。

▽富田の清水(しつこ)の情報やマップはこちらからご覧いただけます。
弘前観光コンベンション協会公式ホームページ
https://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/details.html…

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