真冬日は続く

苦力(クーリー)の綿入れ服をうらやみし北支の病舎に真冬日つづきし
中国の河北省地方は綿花の栽培地なので、さすが麺化や綿布は豊かであった。病院で働く「クーリー」は綿がたっぷり入った服を着ていた。
一方、石門の病院の入院患者は白い袴下(コシタ)とジュバンの下着に病衣一枚。厳寒の時にはベットにもぐりこむしかなかった。
ふるさとの私の母から届く手紙には木綿の布がなく、布団はボロボロに破けたが、布団の側がないのでシビフトン(わらぶとん)にかえたとか、シーツ、下着などは破れてもつくろいつくろい、ぼろのようなのを着ているとあった。
中国の豊かな綿布はうらやましかった。
「鎮魂のうた」29p
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ふるさとは青森県弘前市。真冬の寒い日が続くいま、花田ミキさんが勤務していた冬の中国の野戦病院の様子をお届けします。

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