映画を通して世に広まることの意義を共有したい 川嶋みどりさん

黙しおれば消えゆくものを
 胸底の燠(おき)なお消えずいくさ詠みつぐ 花田ミキ
あの大戦で3回も召集された花田ミキさん。彼女の凜々しく雄々しい生き方は、戦後、故郷に生還した後の青森での衛生行政面での手腕からも読み取れます。しかも、折りに触れて語られた言葉や行動が、若者たち、看護師たちをどれだけ勇気づけたことか図り知れません。
「戦争世代の1人として死者とともに生きて来た思いです。人々のいのちを守る職能の対極にあるのが戦争です。未来は若人たちのもの。若人の英知と職能人のほこりをもって戦争のない世紀をつくって下さい。明日のために、生ある限り語り継ぎたい戦争の悲惨を『いのちを阻むものは全て悪』という私の物差しに支えられながら…」と。
今、まさに、戦火のウクライナの報道に接する日々ですが、この日本でも、台湾有事を始め諸々の口実によって新たな戦前の空気が漂っています。3年間も続くコロナ禍のもとで、なお、死者数が増え続けています。
花田ミキさんの生涯を通じてぶれない生き方が、映画を通して世に広まることの意義を1人でも多くのみなさんと共有したいです。赤十字の後輩の1人としても、是非、映画製作に協力しましょう。
日本赤十字看護大学
名誉教授 川嶋みどりさん

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