男女別勤務

「号令をかけて衛生兵どのは便器をとる」と傷兵はこぼしき
当時の石門病院では救護班の看護婦と軍の衛生兵が病棟ごとに混合編成で勤務していた。
あるとき、衛生兵からこんな声があった。「故郷を出るときは『名誉の出征』と日章旗とバンザイにおくられてきたが、ここでは物を運搬する力仕事や汚い仕事、看護婦の手下のようにいいつけられている。衛生兵らしい仕事をしたい。」
院長の指示で間もなく衛生兵病棟と看護婦病棟に分かれて勤務するようになった。ところが傷病兵からひそかにこんな声があがった。「衛生兵どのは便器を差し込むときには、足あげろ、腰上げろと号令をかけられる。つらい。」
まもなく、勤務体制はもとにもどった。

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