この世の星は こどもたち、のびゆくものたちに、つつがあらすな。
この際、だれかに言葉を贈るとすれば、多くの先輩、知友、力を合わせて働いた看護職のみなさん、そして人間の素晴らしさを教えてくれた多くの子どもたち、ミコちゃん、カエちゃん、ヒロシ君、ミイちゃん、その他、遊び友だちの近所の子どもたちに次の言葉をささげたい。
「この世の星は こどもたち、のびゆくものたちに、つつがあらすな。」
”南の海航く君につつがあらすな"
と書きのこして、病院船から南方に征った学徒兵が、のこした本に記してあった"つつがあらすな"の一語を、万感をこめて私も、みんなに贈りたい。
花田ミキ 昭和60年9月22日
花田ミキ著『巻きもどすフィルム』174pより