十四歳

孤老われを助けくれいる少年がバイト号なるギターを持ち来ぬ
十四歳の少年兵は銃執(と)りきいまギターひく君と同じ年齢(とし)
和してうたうラバウル小唄にむせびしを ギターひく少年いぶかしげなる
十四歳君ギター弾け 新しき世もその手に銃をゆめとるなかれ
ときどき、雑用を手伝う少年が来る。十四歳の彼を見ていて、大戦中の少年兵の面影と重なる。
通信兵、さては徴用された少年船員のボーイさんや甲板員など、十四・五歳で志願して、兵や船員となった彼ら、あどけない童顔の彼ら・・・
今、幸いにしてわが国は平和である。
いつまでも、その手に銃をとるな、いつまでもギターをかなでつづけよ!
「鎮魂のうた」78p

readyfor.jp